やれ哲学的ポルノグラファだの、耽溺ふう抒情と、評のとかく分かれる山口椿のもうひとつの面は、おかしみ、わるふざけなどで、彼がエグゾティズムに手を染めるときそこが鮮やかに浮かび出す。
原画は東京スポーツ紙に1年にわたり掲載したもの。この展示のため手を加えた。
山口椿 Tubaki Yamagichi / プロフィール
1931年神田三崎町生まれ。
ネーダーランド派の技法をもって、サラチーニ伯爵コレクションや、レニングラード・キーロフ劇場などの栄光と、その逆に春信ふうの纖弱裴哀、ピエール・ルイスに似た甘脆のおかしみの矛盾とを併せもつ。
画集4冊、新聞におよそ1000枚、出版社に600枚の挿絵、第8回東京国際コンテンポラリーアートフェスティバルに成山コレクションとして幽霊画の精緻な贅沢で驚かせた。
著書58冊。
チェリストとしてクレモナのアンドレア・ファティエバをもつ。
彼への評「初老にして色香衰えず、博識多才、文人ここに在り」は名言。