■池内功和写真展「匂う蓮」
10月24日(月)〜11月5日(土)
※10月30日(日)も営業致します。
10月29日(土) 展覧会特別レセプションパーティー
早乙女宏美:スペシャルパフォーマンス有・入場料2,500円 17時〜
「山中の不思議な館で偶然に出くわしてしまった。幻の様な女。泉鏡花の幻想小説がたちどころに思い出されてくる。かそけさと恐ろしさ、熱病にかかった幼い男の子が垣間見る様な山姫の姿がここにはある。―――――四方田犬彦」
池内功和の写真に写っているものは何だろう。
早乙女宏美は「切腹」という行為を、身体パフォーマンスとして表現し続けてきた切腹マニアである。
池内は、腹を切る行為そのものを撮るのではなく、早乙女の皮膚の下でどのように感情が変化し、その行為「切腹」に至るのかを追った。
長野のとある廃寺でひっそりと撮影は行われた。
淡々と粛々と、女の一日が写真の中で過ぎてゆく。強烈な死の匂いとエロスの香りが交りあう。
しかしそれは「切腹」がテーマでありながらも、情念という生の感情を剥き出しにした、咽る様な生きる匂いが充満しているから不思議だ。
早乙女宏美というモデルを映しながら、しかしそこに早乙女はいない。
今日一日の終わりに自ら死を選ぶ女が一人佇んでいる。
「匂う蓮」とは彼女のことである。