絵画を気晴らしのための娯楽だと考えるのなら、私の絵は無意味だ。私の絵は気晴らしも娯楽も与えないから。理解や共感という見方ではなく、感染してほしい。見る人の体を侵食するような作用を望んでいる。
安全で平穏な生活を望む人には、私の絵は嫌悪の対象でしかない。しかし生き苦しさ、不安、焦り、怒り、恐怖、孤独を抱えている人々には少しでも生きる勇気を与えられることを願っている。
感動を強制する不気味な世の中から解放される手助けになればいい。
私の絵に深い意味はないし、明確な狙いもない。ただ、誰もが見て見ぬふりをしていること、見えているのに気付いていないものを探求していきたい。それが何なのかはわからない。しかしそれによって生かされているのは確かだ。
本人ですら気づいていない、自分自身のなかの暗部を。目を凝らしてよく見てほしい。
そこには何が見えるだろうか。
水元正也プロフィール
1984愛知県生まれ
2007 名古屋造形芸術大学美術学科卒業
2006 第4回プンクト展(青木画廊/銀座)
2007 第5回プンクト展(青木画廊/銀座)