特別展示・入場料500円
3月18日(水)より4月30日(木)まで3部構成で展示いたします。4月1日(水)と4月16日(木)は展示入れ替えの為お休みします。
3月20日(金・祝)三代目彫よしライブペインティング&サイン会15時〜17時
イベント時・入場料1,000円
(サインは画廊にて本を購入した方に限ります。)
場内での、模写や写真撮影は禁止いたします。
妖、怪、幻、奇などの字面からは、異体、異様、異界などを想起させる強い力が湧出しているが、これらの字が組み合わされることにより、更に深くおどろおどろしい世界が幕を開ける。
中略
葛飾北斎や歌川国芳を筆頭に、幕末明治に活躍した多くの浮世絵師たちが競って描き続けた幻想武者絵の奇抜な発想や構図は、この世界なくしては生み出されなかった。史実は脚色され誇張され、架空の人物が生まれ筋書きが作られ、虚実入り混じった荒唐無稽な世界が次々と考え出された。このあり得ない起こり得ないことが絶対的に魅力な点でもあるが故に、私としても実に自由な想像、設定、構想のもと、背景や主体に対する表現方法に捉われることなく楽しく創作することができた。本来ならば彩色すべきが最良と思われるが、時間がない(人生の)ためにあえて白描とすることにした。
理想的な人物の構図は限られており、なおかつ背への刺青下絵という狭い前提での構図となると、なおその範囲は絞られてくる、すべての図について完全なオリジナルを目指したが下描きの段階で気になり資料を再見すると、かつて浮世絵師たちの描き残したものと似ていることが多く、あくまでもコピーだけは絶対にしたくないので、そのつど考え直しては描いてみたが、描けば描くほど酷似した構図にならざるを得ないのが実情であった。江戸読本挿絵から始まったこの幻想世界は、日本人特有の美意識と感性によって培われ、庶民から支持されてきた。このことを忘れず、永く世に伝えられることを望んでやまない。
(三代目彫よし)幻妖武者五十八魁圖風 より抜粋
三代目彫よし(刺青師) プロフィール
1946(昭和21)年、静岡県島田市生まれ。中学卒業後、造船所の溶接工として働きながら刺青師になる決心を固める。
21歳のとき、横浜、彫よしによって背に天女と龍の刺青を彫る。71年、彫よしの部屋住みの弟子になる。79年、三代目彫よしを襲名。85年、ローマで開催された「タットゥーコンベンション」に招待される。以後、欧米各国での「タットゥーコンベンション」に参加。
現在、欧米、アジアの刺青師や刺青愛好家と交流し、情報交換や研究資料蒐集中。それらをもとに私設の文身歴史資料館を横浜市西区平沼1−11−7今井ビル1階に開設。