■2月6日(土)17:00~ 特別トークイベント
日本書票協会会長・内田市五郎氏をお迎えして
入場料1,000円(1ドリンク付)
「薔薇の画家」とも異称され、甘美で洗練されたエロティックな幻想世界を描いた世紀末芸術を象徴する画家、フランツ・フォン・バイロス(1866-1924)。彼は有名小説の挿絵や創作画集で知られると同時に、ウィーン内外の好事家たちの依頼により蔵書票も数多く制作していました。秘密の花園でくりひろげられる淑女たちの淫靡な悪戯を覗き見するかのような背徳的ムードを持つ彼の作品は、蔵書票という極めて個人的な制約の下でつくられる時、その魅力を最大限に発揮することでしょう。
観る人を匂いたつような官能的幻想へと誘うバイロスの蔵書票。その蔵書票をここまで多く、さらに一堂に集めた展示は、おそらく日本初ともいえるのではないでしょうか。紙上の宝石ともいうべく精緻で美しいバイロスの作品の数々を、是非ご覧下さい。
フランツ・フォン・バイロス/Franz von Bayros
1866年5月28日、クロアチアのザクレブに生まれる。
6歳の頃から絵を描き始め、ミュンヘンとウィーンの美術学校で絵の勉強をする。
1896年、「ワルツ王」作曲家ヨハン・シュトラウス二世の娘と結婚するが、翌年に離婚。その後ミュンヘンにてクニッル美術学校に入学。1904年に初の個展が開かれ成功する。それから挿絵や蔵書票の注文が次々寄せられ、大型版本も3冊出版された。
1911年、自身の画集「化粧台物語」が猥褻罪でミュンヘン警察から告訴されるが、公判を避け、再びウィーンへ戻る。
1913年、二度目の結婚後、1921年、「神曲」をテーマに60枚の水彩画を発表すると、ドイツやイタリアでの展覧会でも絶賛を博し「挿絵王」の称号を捧げられた。
1924年4月2日、脳溢血の為他界。