あなたのお仕事場、撮らせてもらえませんか?
エロスセンター…その直接的な語感、未知なるエロスの殿堂のドキュメント。
2005年、ドイツのフランクフルトにある「エロスセンター」と呼ばれる娼館の部屋の写真を撮りに行ってきた。建物の中はみな個室になっていて、そこを娼婦が直接,ビルの経営者と契約し仕事場にしている。色々な国から来て商売をし、なかには住居を兼ねている人もいる。古い建物が多く、エレベーターがない所が殆どなので、下の階ほど客の出入りは多くなる。面白いことに下階は白人系、中階はアジア系、上階は黒人、SM系、男娼と分かれていた。部屋の内装は、その人の趣味、センス、個性が出る。国が違えば尚更だ。一つの建物に、これだけ国際色豊かで、バライティに富んだ内装が見られる所は無いのではないか。しかも、そこには淫靡な空間が。ドイツは売春が合法。ただし、斡旋や勧誘は違法、税金も収めなければならない。ドイツらしい合理的な制度だ。(中田柾志)
2013年にヴァニラ画廊にて個展
「ブローニュの森の貴婦人たち」を開催し、そのフォトドキュメンタリーにて、強烈な印象を与えた中田柾志。今回は氏の異なる二つのシリーズ「エロスセンター」と「素人モデル」をお披露目いたします。
エロスというものは、人を果てしなく突き動かすもの。「エロスセンター」はその語感から中田氏が身一つで飛び込んだ、ドイツのエロスの殿堂。時には体を張って撮り下ろした秘密のベールに包まれた主不在の閨房の数々。決してガイドブックには掲載されないであろう未知なるドキュメンタリー。
「素人モデル」はネット上でモデルを探索し、実際に撮影を行う現在進行形のシリーズです。モデルとしての自らをアピールする自己紹介文と、中田氏が撮り下ろしたそのモデルの姿。生々しくもどこか幻想的、臨場感に溢れ、人間の虚像と実像が激しく浮き沈みする渾身のドキュメント。
どちらも氏の強烈な好奇心と探求心が紡ぎだした珠玉の2シリーズをどうぞお楽しみ下さい。
中田柾志が捉えた、突撃!隣のエロスの風景二本立て。
プロとアマの豪華共艶。
モデル・撮影関連のサイトに、自ら「モデルします」、「カメラマン募集」と書き込みをしている方を対象に、撮影依頼のメールを送り、モデル代や公開可能等の条件が合った方のみ撮影させていただいた。衣装は全てモデルの持ち込み。掲載している自己アピール文と写真で一つの作品と考えている。作品内容は、モデルの希望、可能が明記されているアピール文がベースになっている。または私の嗜好や性癖を具現化したもの。コスプレ、緊縛、フェチものを主に撮影。モデルの変身願望と私の変態願望のコラボレーション。(中田柾志)
【中田柾志 プロフィール】1969年、青森県弘前市生まれ。2002年、個展【NCアートギャラリー】2003年、個展【NCアートギャラリー】2005年、公募展【写真新世紀】で「ブローニュの森」シリーズが佳作賞(荒木経惟選)2007年、公募展【写真新世紀】で「素人モデル」シリーズが佳作賞(荒木経惟選)2012年、【ヴァニラ画廊大賞】で奨励賞受賞。都築響一氏のメールマガジン【roadsiders'weekly】で「ブローニュの森」、「エロスセンター」が特集された。2013年、個展【ヴァニラ画廊】 「ブローニュの森の貴婦人たち」
展覧会特別イベント開催!
2014年10月24日(金)19時〜
中田柾志ギャラリートーク:【中田柾志のフォト・フィールドワーク、エロスセンター/素人モデル】
ゲスト:都築響一氏をお迎えして(入場料1,500円1D付)
※妖しいベールに包まれたエロスセンター撮影秘話から、素人モデル撮影のきっかけまで、都築響一さんをお迎えして、中田氏のフォトフィールドワークに迫る!