'15/8/31 〜 9/5吉野絵理個展「血脈をたどっていけば王国」

我々はどこからきたのか
何者か
どこへ行くのか

ゴーギャンの有名な言葉です。そしてこの言葉は私も追い求めるものでもあります。
不安に満ち、腐ったような世界の深く深く奥底からポコポコと音をたてながら、
細胞分裂のように私の子供達は増殖していきます。
彼らには個性がなく純粋に近い存在、そのように想って彼らを産みます。
そうであることが幸せであるかのように。
だけれどもそこには満ち足りないものがあるという矛盾も潜んでいます。
それを補うように彼らは繋がりを求めます。私やあなたのように。

私というフィルターを通した世界は、きっと他人の目には怖く悲しく、
世界への諦めにも似た感覚を持つ人もいるでしょう。
それでも私は彼らが美しいと信じます。
私は人間が醜く愛おしくて仕方がないのです。
あなたのことを美しく描きたいのです。