オリビエ・ルビュファ写真展
「地上1フィートの王国」
2015年11月16日(月)~11月28日(土)
展示室B 入場料A&B500円
フランス人写真家のオリビエ・ルビュファは着せ替え人形のバービーと同サイズにリサイズした自らの肖像を用いて、彼女たちとの共存をテーマにした物語性あるコラージュ作品を発表してきました。オリビエとバービーたちの住む舞台は散歩道や美術館での出来事といった日常生活ワンシーンから西部劇・神話・宗教画など多岐にわたり、欲望とナルシズムが渦巻く享楽的な性のイメージを介入させながらその営みを表現し、また、大病を患って以来は、舞台を医療や介護の場へと移して自らの死生観を色濃く投影した、より私的な作風へと変化したのです。画一的で奇怪なポーズと微笑みを浮かべる人形たちに囲まれながら、高さ30cmの目線からユーモラスかつシニカルに虚構と現実を探求するオリビエ。日本初個展となる本展覧会では新旧作の各代表作を列挙し、氏の創り上げたハーレム王国の軌跡を辿ります。
1958年セネガル・ダカール生まれ。1980年よりフランス・マルセイユ在住。
1978年頃から写真を独学し、1980年代初頭、モード、広告、建築、産業関連のカメラマンたちのもとでアシスタントを務める。マルセイユ在住のアーティストたちとの交流を通じ、1983年2人の画家とともに「ギャラリーR.B.A.」を設立。1997年、エクサンプロヴァンス大学にて造形美術修士号を得る。1998年、生まれ故郷のダカールを訪れ、それ以来マルセイユとダカールを行き来している。
玩具と人形の世界の中の自分を撮った一連の作品の他、セネガルとギニアビサウのシャーマニズムとアニミズムをテーマにした作品は、1990年以降フランスのみならず各国の展覧会に出品されている。