無惨絵展 ~cruel and beauty~
2019年2月19日(火)〜3月3日(日)入場料 500円 - 展示室AB共通
出展作家
旭 / 愛実 / 駕籠真太郎 / キジメッカ / GENk / 群 /沙村広明 /
空山基 / 多賀新 / 田亀源五郎 /田島昭宇 / Trevor Brown /
室井亜砂二
特別出展:月岡芳年無惨絵コレクション
ヴァニラ画廊では、無惨・残酷絵をテーマに、その情景の奥の妖しい美しさに焦点をあてた展示を開催いたします。
1866年に、芳幾と芳年により毒々しくも花開いた無惨絵。当時の事件などをモチーフにしたスキャンダラスな作品は話題になり、凄惨な作品にも関わらず、人々に大変な反響をもたらしました。
三島由紀夫は芳年の無惨絵について次のように述べています。
「幕末動乱期を生き抜いてきた人間に投影した、苛烈な時代が物語られてゐる。これらには化制度以後の末期歌舞伎劇から、あとあとまでのこった招魂社の見世物にいたる、グロッタの集中的表現があり、おのれの生理と、時代の末梢神経の昂奮との幸福な一致におののく魂が見られる。」(『血の晩餐―大蘇芳年の芸術(別冊/番町書房)』より一部抜粋)
凄惨極まる時、それは究極の美と転じ、その美しさに代えがたい恍惚と抑圧からの解放を感じるからこそ、無惨・残酷というテーマは時代を超えて人々を魅了するのではないでしょうか。
今展示では、江戸川乱歩に「本当の”恐怖”、そして”美”がある」と言わしめた血みどろ絵師、月岡芳年のコレクションを始め、現代の作家による「無惨の美」を一堂に会します。その俯瞰からみえてくる「無惨・残酷絵」の持つ魔力をご堪能ください。
無惨絵展開催を記念して、特別トークイベントを開催いたします。
ゲストには江戸から明治にかけての浮世絵史研究者であり、太田記念美術館主席学芸員の日野原健司さんと、芳年は自身のフェイバリット作家の一人であると語る漫画家の田亀源五郎さんをお迎えいたします。
芳年を始めとする浮世絵の専門家と、被虐的な美の世界を主題の一つとして描き続ける作家の観点から、血みどろ絵師と言われ今なお人々を魅了し続ける月岡芳年作品の魅力について語ります。
ゲスト | 日野原健司(太田記念美術館)/田亀源五郎(マンガ家/ゲイ・エロティック・アーティスト) |
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日時 | 2019年2月23日(土)17:30〜19:00 |
会場 | ヴァニラ画廊 東京都中央区銀座8-10-7 東成ビルB2F TEL 03-5568-1233 |
料金 | 2,000円 1ドリンク付 |
定員 | 40名限定 |
開場 |
17:20 |
開演 |
17:30 |
太田記念美術館主席学芸員。1974年生まれ。千葉県出身。慶應義塾大学大学院文学研究科前期博士課程修了。江戸時代から明治時代まで、浮世絵の歴史を幅広く研究しつつ、妖怪や園芸、旅といったジャンルの研究にも取り組んでいる。
太田記念美術館では、「葛飾北斎
冨嶽三十六景―奇想のカラクリ」、「月岡芳年
月百姿」など、さまざまな展覧会を企画・担当。著書に『怖い浮世絵』(共著、青幻舎)、『月岡芳年 妖怪百物語』(共著、青幻舎)、『月岡芳年 月百姿』(青幻舎)など。
マンガ家/ゲイ・エロティック・アーティスト。1964年生まれ。多摩美術大学卒業後、アート・ディレクターをしつつ、1986年よりゲイ雑誌にマンガ、イラストレーション、小説などを発表。1994年から専業作家となり、ゲイ雑誌『G-men』(ジープロジェクト)の企画・創刊にも協力。同時に、日本の過去のゲイ・エロティック・アートの研究、およびその再評価活動を開始。また、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツなどのゲイ・メディアでも活動開始。2006年『G−men』企画より離脱。
『弟の夫』(双葉社アクションコミックス、全4巻)で第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第47回日本漫画家協会賞優秀賞、第30回アイズナー賞最優秀アジア作品賞を受賞。『銀の華』(ポット出版)『嬲り者〔復元完全版〕』(ポット出版プラス)、エッセイ『ゲイ・カルチャーの未来へ』(Pヴァイン)など、その他著作多数。また『The
Passion of Gengoroh Tagame』(Picture Box)、『Gunji』(Bruno
Gmünder)など海外での著作も多い。