2024年12月26日(木) 本日の営業時間 12:00 - 19:00 【展示室A&B】 D is for Decadence Maki Kusumoto 40th anniversary 1984-2024

'10/4/26 ~ 5/15 「人造乙女博覧会 II」

■特別イベント
5月1日(土) 「ラブドール/抱きしめたい!」上映会・映画上映のみ
¥1,500(1ドリンク付)

5月8日(土) 「ラブドール/抱きしめたい!」上映会・特別トークイベント
ゲスト予定・村上賢司(「ラブドール・抱きしめたい!」監督・編集)・林拓郎 (オリエント工業・「ラブドール/抱きしめたい!」人形演出)・森馨(人形作家) ¥2,000(1ドリンク付)

あの、「人造乙女博覧会」(2007)から早3年。可憐なる人造乙女たちは新たな進化を遂げていた。

薔薇の花びらのような唇、そっとささやく瞳、微かにふるえる磨きあげられたその指先……これら愛されるためのぬくもりの造形はまさに女性美を極限まで追求した一種の芸術であると同時に、限りなく現実の女性になぞらえてリアルに造りこまれたおとなしいひとりの女の子の姿でもある。性の実用品として命をふきこまれた彼女たちの目に湛えられた優しさと物語る言葉は、それを覗き込むわたしたちの内部へ深く深く入り込んで、淡くちいさな光を落とすことだろう。

現在、映像・写真・物語等の多くのメディアによって「ラブドール」という名は広く人々に認知され、それまでの「ダッチワイフ」という呼称はいまや過去の遺物になったといっても過言ではない。とはいうものの、その実態が正確に知られているとはまだいい難いのではないだろうか。そもそも実用を目的として制作が始められたドールたちだが、時代の流れとともにその存在意義に少なからず変化が生じてくることはやむを得まい。それはある意味ラブドールの進化であって、彼女たちの多様性を如実に示した結果である。しかして私たちはいま、改めてラブドールというものを考え直す時期に来ているのである。

「人造乙女博覧会」はこういった意識のもと、ラブドールという特殊なドールが内包する根源的問題に大胆に切り込むものだ。先端技術と高い芸術的感性で新たなラブドールを発表し続ける業界の覇者・オリエント工業に再びご協力いただき、最新のラブドールを一堂に会すことで、彼女たちが生きる世界への積極的なアプローチを試みる。

彼女たちはどこへ行くのか。人に限りなく近付きながらも人には決して宿らぬ不思議な魅力を持った乙女たちの、いまと今後に是非ご注目頂きたい。

「人造乙女博覧会 II」